繁盛店の秘策・その?

10/11福岡「ベンチャー大学」にビッグゲスト!
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10/20名古屋「弱者の戦略」セミナー<人生の成功は夢戦感>



◆以下は12/18に相談に来てくれた山本さん、S社長、O社長に贈ります。この人の講演は以前聴き、「素晴らしいけど、綺麗事ばかり云いやがって。実業家が年間300回も講演して、そのうち倒産しやがれ」と、同じ講演家としてのジェラシーで無視してましたが、やはり素晴らしい。感服。今朝偶然、講演録を見つけ、まあ、自分には関係ないけど、そう云えば山本さんは社員のことで悩んでいたな。アイツに何か役立つかもなと読み始めたら、止まらなくなりました。感動系だけでなく、経営ノウハウも沢山あり、これは皆さんにも伝えねばと。同じ話でも以前と全然違う。オレも成長したか?久保さんは勿論、紹介して戴いた香取さん→掲載元の鬼沢さん
に感謝いたします。



福岡県北九州市に7店の美容室バグジーは、社員が辞めない、お客の再来店率・紹介率の高い店として美容業界+他業界からも注目を集める。久保社長は渡米経験のカリスマ美容師として帰国後、美容室をオープン。が、ある時、新規出店を前に幹部が立て続けに退職し、倒産の危機に。それをきっかけに、実力主義成果主義から社員・お客様満足の経営をめざし、今は年率2ケタの成長を実現。久保社長は現在、年間300回の講演活動や全国レベルでのインストラクター教育に取り組み、NHKビジネス未来人(放映内容)
」にも出演。本の紹介より
 

有名人だからと崇拝したくないが、素直に学び、1日1つ実行します。



優しさと愛があふれる美容室が生まれた日    



「利より信、人間力を高めるリーダーシップを学ぶ」



久保 華図八氏(ブログ
) (有)バグジー代表 
福岡県北九州市 店舗



みなさん、お疲れさまです。今、紹介していただきましたバグジーの久保といいます。こんな高い席で話をする立場ではないのですが、ご指名ですので…。



うちのビデオを見た方、おられますか? みんな見られたですか? ありがとうございます。今日はあのビデオであまり出ていないような話をしたいなと思っているんです…。



あのビデオが出たのがちょうど3年ぐらい前なんですけども、私のお店はあれよりも4年ぐらいに倒産しそうになって、非常に悪かったお店なんです。その当時、今はもう虚妄の成果主義とか言われていますけども、僕はすごい成果主義者で、7年ほど前もフルコミッションで、とにかく「勝てば官軍負ければ賊軍」で商売をやっていました。その時に大量に社員の人たちが辞めるという事態に遭遇しました。美容業の場合、従業員の人というのは商品ですから、商品が入ってこないわけですね。7年前に倒産しそうになった時は、30人ぐらいいた社員の人が急に14人ぐらいまで、半分ぐらいまでになりました。倒産するんだなと思ったのが7年前です。その時に残ってくれた14人の従業員の人に、倒産するのは嫌なので「とにかく一緒に頑張りたいのでよろしくお願いします」と頼んだのがちょうど7年前です。



その時の従業員の人が14人で、今その人たちが会社の幹部になってくれています。7年間頑張って、今、従業員の人が100人をちょっと超えて7倍ぐらいになっています。売上高も6倍ぐらいになっています。潰れそうになったところからこの7年で7倍に、前年対比を毎月120%ぐらいでずっと更新しているという感じなんですけどね。



何かみんな機嫌が悪そうだけど大丈夫ですか? 大丈夫ですね。何かいや〜な雰囲気が漂っていますが…。

僕は今年311回セミナーを頼まれています。来年ももう240回ぐらい入ってしまっていて、何屋か分からなくなってきているんですけどもね…。



そういうことで、僕の所はあまり自慢できることはないんですけども、人がたくさん辞めたという小さな失敗があったものですから、人が辞めない会社を作りたい、ESといわれるところから取りかかっています。みなさんで言うCSに取り組んでもなぜ結果が出ないんだろうかというのとは僕は逆で、ESに取り組んできたらCSが非常に良くなったということで、ビデオになったり、今度またPHPさんからビデオが出たり、本に載ったり、今、もうすごい噂だけが先行して…。来年は、「噂に追いつけ、バグジー」というテーマで頑張ろうと思っているんですけども…。



何せそういうことなので、ビデオに出てこないようなことを2時間、ちょっと短いのですが、できる限りお話ししたいと思っています。大きく分けたら四つですから、前半は二つ話したいのですけども、従業員満足のために何をやったかというのが一つです。それからもう一つは、ちなみに今日は美容院の方が何人か来られているみたいなのですが、僕の所は4年間一人も辞めていません。普通、美容業で言うと奇跡的な、絶対に嘘だというような話ですけども、実際に人が辞めていません。だからなぜ人が辞めないかという話を最初にやって、次は教育のやり方を変えたので、教育の仕方をどうやったかというのが一つ。前半はこの二つに絞ってお話ししたいと思いますから、みなさんの所にいっているレジュメのテーマ1の「従業員第一について」と、「人間づくり」についてという所を前半にやりたいと思います。このレジュメに書いたことはほとんどしゃべらないので、そっちは見ないで僕を見ていてください。ちょっとうっとおしいけど、よろしくお願いします。



「従業員第一」について



1.大家族主義の経営を目指す





まず僕が目指しているのは、7年前から従業員の人が辞めるのが辛かったので、自主活性型、「自主」だからみんなが主人公ですね、みんなが主人公になれる自主活性型、言い方を変えたら大家族主義というのを7年前に考えました。家族のようにいきたい、従業員の人は弟、妹のようにやりたい、お客様は親愛なる友達のようにやりたいということで奮起しました。



(1)将来が見えていること

その自主活性型をやるとき、7年間一生懸命やってきたら見えてきたことがいくつかあります。ここにおられる企業の方も二種類あると思うんですけども、すごく元気の良い所と、元気が良くない所…。これは業績が良くても元気がない所もあるし、業績が悪いのに元気が良い所もあります。これは自主活性型の特徴なんですけども、将来が見えていないとやはり元気が出ない、活力が出ないですね。



例えば、会社が来年度はこういうふうにいったら売り上げが上がると思っている人はいいですけど、どうやったら売り上げが上がるんだろうか、売り上げが落ちてき出したなと思っている人というのはなかなか元気が出ないのと一緒で、やはり大家族主義というのは将来が見えているというのが非常に大事じゃないかなと思っています。

今日の参加者名簿を見せてもらったら、今日はいろいろな企業の方が来られてくれているんですけども、結局言い方を変えると、利益の質が問われているのではないかと思うんです。なんで利益を上げていくかというのが非常に問われているような気がするんです。



例えば僕たち美容師は、辞書を引いたら「お客様の容姿を整えることによって心身ともに豊かにすること」となっているんですけども、全国の美容室がどうなっているかというと、ほとんど割引、割引で拡大路線ですね。お客様のことなんか全然考えていないというのが実情です。



それとか、どんなんがありますか…。本屋さんとか、今日来られていますか? 本屋さんなんていうのは、業績が伸びている所は成人向けの、エッチな本なんていうのは売っていないですね。業績の良い所は、地域の青少年のために悪いような物を売ってまで商売したくないという、利益の質が非常に良くなってきている。これはみなさんの近くにある本屋さんで多い所を見たら分かります。



それとか飲食だったら、肉を売っている所が大体良くないですね。やはりお客さんのこと、健康を考えていない所が良くないですね。季節の、旬の物を食べさせているような所は良いというようなことから考えても、自主活性型の一つ目はちゃんと将来像が見えているかどうかだと思います。



僕は7年前は将来のことなんか全然考えていませんでした。もうとにかく売り上げを上げて、とにかく儲けることしか考えてなかったんですけども、このごろは少しだけ遠くに離れて見えるので、そういうことが非常に大事になってきています。2007年ショック、団塊の世代の方が2年で1200万人退職すると言われています。ですから美容院の場合は、あと2年経ったら白髪染めのお客様が来なくなるのではないかと言われています。どうしてかと言うと、だんなさんが家にいるからです。今までのように毎月中年の女性が来れなくなる。これは美容室は3割ぐらい潰れるだろうと言われています。そういうことに対応できるような店づくりなどをやっていないといけないので、そういう将来のことが見ていないと難しいと思うのです。



僕の所は14人で始めて、そして今100人ちょっとになっているんですけども、そのみんなで話し合って、将来これをやったらいいんじゃないかというのを今日最初に三つお話ししたいと思います。



?集客よりも定着

一つは、集客はやめよう。『集客より定着』だ。例えば美容院だったら、雑誌に載せたり、チラシを配ったり、どんどん顔の見えない人を集客してやっている所というのはほとんど常連のお客様が逃げているということです。

みなさんで言うと、行った居酒屋が、常連の人は定価で、初めて来た人はチケットを持って半額で食事をしているみたいなことです。そんな所にみなさんが行くかというと、行きづらくないですか? 「俺、高いよ。俺が一番古いんだから」とか、気持ち悪くないですか? 何か嫌な感じですね。



来れば来るほど良い方がいいわけですから、マイレージ現象といいますか…。だからバグジーは集客はやめよう、もう定着に力を入れていこうということで、車で言えば売るまでよりも売ってから、家だったら建てるまでより建ててからとか、こういうことが非常に大事だろうと…。どうかすると印鑑を押したら負けた、みたいな雰囲気ですね。笑うところですよ。だめな所は、車を買って印鑑を押したらもう知らん顔ですもんね。もう売ったら知らん顔です。銀行の方も、僕もよく行くんですけども、貸すまではすごいけども、印鑑を押したらもう知らん顔です。そういうことから考えても、来れば来るほど良くなる店づくりというのを今提唱しています。これは家族主義でやってみんなが分かっておかなければいけないことなので、そういうことを頑張っています。



?原点が大事

それともう一つは、『原点が大事』なんじゃないか、原点に戻っていこう、本来あるべき姿に戻っていこうということです。



美容室であれば、美容室というのはカリスマブームとかでちょっと悪い影響でバブルがあって、外見が格好良い美容師さんが売り上げを上げていたのです。でも今はそうじゃなくて、その人が髪の毛をやったら1ヶ月ぐらい何もしなくてもいい、家でドライヤーも当てなくてもいいという、再現性というのですが、再現性がある技術をできる所でないと単価が取れないということで、基本をもう一回見直していこうということに力を入れています。



これはどういうことかと言うと、業績が悪くなるときにいちばん最後に来るのは何かと言うと、「売り上げ」が落ちるでしょう。売り上げが落ちる前に大体「客数」が落ちる。客数が落ちるというのはマックスの売り上げが上がらなくなって、ミニマムなのがもっと悪くなる。例えば忙しい時は100人来ていたのに、このごろ90人しか来ないなとか、1日5人が最低人数だったのに4人しか来なかったとか、最高と最低が落ちてくる状態になったら、ガンで言ったらもう?期ぐらいに入っている。客数が減る前に必ず「紹介の数」が減ります。これはまだ?期ぐらいだからまだ助かるんですけども、紹介お客様が減っているということは、営業にインパクトがない、競争力がないということですね。紹介でお客様が来なくなっているというのはかなり良くないですね。そしていちばん最初に起きる現象としては「定着率」が落ちます。再来率が落ちてしまう。



僕は7年前は目の前の成果主義しか考えていなかったから、全然勉強していなかったのです。今考えるとどんな業界にも言えることなんですけども、やはり基本の充実が非常に大事になってくるということだろうと思います。



?お客様のリスクを軽減する

それともう一つはリスク・リバーサルといわれる『お客様のリスクを軽減していこう』ということです。例えば美容室であればこうです。髪の毛にパーマかけたら思うようにならない。そうすると普通の美容室というのは電話をしても営業中以外は電話に出ない。ですから保証が全然できていない。だからよそに行くとなるんですけども、うちの店は24時間電話を取りますので、何時でもお客様のクレームをとる。そして来ていただいて帰る時には、パーマが失敗したらパーマをやり直してカラーのチケットをあげるとか、カラーを失敗したらパーマのチケットをあげる。要するにお客様は「よかった、失敗して…」という感じです。これ、ちょっと笑うところだったんですけどもね。ちょっとレスポンスが悪いですね…。



要するにこういうことなのです。外国でベターザン・リスクフリーというのですが、リスクを超えた保証ということです。これはどうですか? 100円ショップなんかに行って、壊れた物を修理してくれなんて言わないじゃないですか。結局期待していない。でも有名なブランドのバッグなんか買って、すぐ壊れたりしたらすぐ言いに行くじゃないですか。あれですね。結局ブランド力ですね。これはやはりリスク・リバーサルに尽きるだろうと…。要するにリスクの軽減とか、保証を徹底するとかいうことが大事なんじゃないかというようなことを今うちの店ではやっています。



ちょっと話が長くなったんですけども、家族主義の一つ目、将来が見える、というのは今みたいな感じ。これはやはり見えていないと非常に良くないと思われます。これが一つです。



(2)ゴールデン・ルールがある

あと、僕が思っている家族主義というのは、みなさんの家族ってどうでした? 僕は田舎で育ってますので、お父さん、お母さんは何も言わない。でも正月の1日とお盆の13日の迎え火と、12月31日の大晦日だけは家にいないと怒られていました。みなさん、どうです? 無視ですね…。これは『ゴールデン・ルール』というのですけどね、こういうことが会社、企業になくなっています。何でもOKなのです。結局馬にニンジンで、労働条件の改善によるモチベーションという良くないやり方をやっていますので、弱体化しています。結局ゴールデン・ルールがない。「ちょっとこれがあるんやけど…。」「ちょっとすみません。僕、休みなんで…。」「ちょっと嫌なんで、強制じゃなかったら帰りますよ。」そういう会社が今ほとんどだめです。そういうゴールデンルールがない所がだめだと思います。



それから僕の所は、ビデオであると思うけど、入社式とか来なかったらクビです。社内旅行も来なかったらクビです。それはゴールデンルール、普通は何も言わないからそれだけは守ってほしいということが言える組織じゃないとだめなんじゃないかと思います。



・最後は味方

それとか、後から出てくるのですが、うちは「最後は味方」というキャッチフレーズが一つあります。それはどういうことかと言うと、悪いことをする。そうしたらお父さん、お母さんから僕はボコボコに怒られていた。でも最後は、その日の夜は何となく優しくしてくれた。「今度からこんなことするなよ。もし何かあったら言って来いよ。」最後は味方。例えばもし悪いことをしたとしても、最後は味方になってくれる。



今企業がそうなっているかというと逆です。最後は厳しいよ、みたいな…。最後は辞めてもらうよ、みたいな…。遅刻3回したら罰金ですよ、みたいな…。結局会社が心地良くないです。僕はそう思うんですけどね。



だからやはりそういうバックボーンになる、懐の大きい上司に巡り会えないということは非常に良くないんじゃないかと思うので、家族主義で、最後は味方みたいなものも必要になってくる。



今日は2時間しか時間がないので、本当はこの家族主義だけで2時間ぐらい話をするんですけどね、10分ぐらいで話をしなくちゃいけない。そういう時間バランスが滅茶苦茶なんですけどね。



(3)幹部がしっかりしている

もう一つは「ひとつ屋根の下」というドラマ、見たことあります? 家族というのは長男、長女がいちばん大事です。そう思わないですか? ややこしい弟たち、ややこしいお父さん、お母さん、でも長男がしっかりしている、みたいな、要するに企業で言うところの幹部です。そこの店長、営業所の所長、これで全て決まります。もうほとんど。幹部の人が良ければその会社は絶対に良くなる。長男、長女を強化していくということですね。幹部育成の勉強会を今はやっていますけど、その当時は全然やっていなかったんです。



?人の嫌がることを率先してする

こんな感じです。幹部の人たちというのは、長男、長女というのは特別に勉強してもらわないといけないんですけど、すごい幹部の人たちというのは、三つぐらい特徴があります。一つは『人の嫌がることを率先してする』。みなさんの所の所長さんか店長さんはどうですか? そういう人は人がついてきますよ。



例えば非常に恐いクレームが来たら、「いい、俺が行く。お前たちは危ないから行かなくていい。僕が行ってあげるよ。」「社長に電話しますか?」「だめだ、だめだ。社長にそんないやな思いはさせられない。そんな細かいことは言えない。僕が行くよ。」というように、嫌なことを率先してできるということです。こういう店長をつくっていかないとちょっと厳しくなるんじゃないかなと今思ってやっていて、まあよくできてるんですけどね。



僕の知った方が名古屋で60軒ぐらい飲食店をやられていて、僕の先生に北川八郎という人がいるんです。それでその人に相談している。「僕は儲かって儲かってしょうがないけど、何か不安です。」「なぜ不安なんですか?」と僕が聞いたら、「何か分からないけど、儲かりすぎているんだけど、もう不安なんですよ。」すると北川さんがこう言った。「あなた、信頼している幹部は何人いますか?」「うちは12人いるんですよ、会社の役員。」「ああ、それは不安やろね。48軒は信頼してない人に任せているんでしょう。」



笑うところですけどね。分かります? その方はこう言いました。「簡単よ。60軒を12軒に減らすか、60人信頼した幹部をつくるか、どっちかですね。これしかないんじゃないですか。」もうそのとおりです。バサッと…。あ、失礼しました、というわけです。



結局やはり幹部の育成が非常に大事。嫌なことを率先してできる幹部を育成するということが、僕の所もちょっとこのごろできてきているので少し安心してますけどね。それが一つ。



?工夫を怠らない

それからもう一つ、『工夫を怠らないこと』です。幹部の人って、だめな幹部って同じことを何回もするんよね。要するにアプローチが一緒なんよ。チラシの撒き方。どうかすると美容室の場合は紹介がいちばん大事なんです。紹介カードというのを何年も同じカードを使っているんです。表紙とか絵とか、分かります? キャッチフレーズみたいなの…。毎年同じだから増えるわけないんです。アプローチも変えなければいけないから、紹介カードというのは毎年変えないといけないんです。なのにアプローチを変えない。だから成績が出ない。下の人の給料が上がらない。組織はだめになるということです。



だから工夫を怠らないということが非常に大事だと思います。いろいろな形で頑張る。これもだめなら、こうはどうか。こうがだめなら、こうはどうかというように、ネバーギブアップで頑張る長男が欲しいですね。



?上司を機嫌良くできる

それから最後、『上司を機嫌良くできる人』、これがいちばん大事だと思います。僕は分からないけれど、今日ここに二代目の方とかがおられたら、よくよく後でじっくり考えてみてほしいのですが、良くない二代目さんは大体先代と喧嘩している、戦っている。笑えない人がいますね。



これです、こういうことなのです。自分の上司と戦う人というのは自分が格好つけたいのです。そうでしょう。「よーし、俺が言って給料上げてやるよ」とか、「労働条件、俺が改革してやる」なんて言っている人は自分が格好良くなりたいだけで、組織を良くしたい人じゃないんです。組織というのは上司を上機嫌にする方が絶対うまくいきます。



例えば今日も幹部が一人ついて来ていますが、僕の所はこんなんです。去年本当にあった話ですよ。「社長、たまには仕事休んでみんなで釣りに行きましょうよ!」と幹部の人が僕に言うのです。何かいいこと言うなと、僕はもう既にちょっと機嫌が良いんです。そうしたら「バーベキューやりませんか? バーベキュー、夜。」とか言うんです。僕、バーベキューが大好きなんです。塩フェチでね、いろいろな塩を集めているんです。今日は幹部がいいこと言うなと思って、一生懸命炭を買ったり、食材を買っているのは僕なのです。そういうことでしょう? そうしていたらうちの幹部の子が一人、「社長、来年の秋コンテストをしますけど、次の日、休みをやったらみんな喜ぶと思うんですよね」と言うのです。そうしたらもう一人が「ばかちん、お前、6軒の営業所が1日休んだら200万ぐらい金が要るんだぞ。それをお前、どうするんだ」と怒っているのです。そしたら喧嘩になってね、「やめろ、喧嘩するな。今日は楽しい席なんだから…。君はどう思う?」「僕も休んだ方がいいと思います。」「君はどう思う?」「僕は休まない方がいいと思います。」僕は何か分からなくなって、機嫌も良いし、「まあ、いいたい。休みをやっといたらいいやないか。」「社長が言うならいいですねどね。」僕がトイレに行って帰ってきたら、「落ちた、落ちた」と電話しているのです。「やっと落ちた、1日かかったけどな」、みたいな…。



そういう幹部が良いわけです。そうでしょう。なぜ良いか。僕が会社に行ったらみんな「先生、ありがとうございます」とみんな言うもん。そうでしょう、休みをやっているから良い経営者になっているでしょう。だから幹部が良い経営者にするかどうかなのです。社員が悪口を言っているということは、幹部が良くないということです。そういうことでしょう。面白くなかったですね…。普通の所では結構受ける話なんですけどね…。



これは結構大事なんです。本当に上司の人を上機嫌にしてあげてください。本当は良い上司なんですよ。悪い上司になっているのは、部下の人が上機嫌にしてあげれてないから悪いところが出てきているのです。



今からどういう構造になっているか、お話ししますけどね。ここだけ話していてもちょっと時間がかかりそうでしょう。まだ本題にはいっていないんですもんね。30分経っているんですけど…。僕、今日鬼澤さんに、「2時間は短いんじゃないですか?」と言ったんですけどね。「それぐらいにして早く飲みに行こうと…」。これは冗談ですよ、怒らないでくださいね。



2.残った従業員から言われた5つのこと

そういうことで、家族主義というのを提唱し出して、7年で6倍ですからどうですか。みなさんの所の今の業績かける6といったらすごくないですか? 従業員数かける6ってすごくないですか? すごいですよ、もう夢のようです。今考えたらですよ。もうその当時といったら…。ちなみに7年前の方がすごく高価な車には乗っていました。値段は高いけれど車高の低い車に乗っていました。



でも今のほうが幸せです。なぜかと言うと、人間関係のトラブルが一個もない。昔はいっぱい。派閥ができたり、文句があったり、いつもドロドロした、何と言いますか、イライラと妬みと、そんなんの集まりだったんですけども、今は本当にすごく良いです。



なぜそうなったかと言うと、最初の話に戻りますけども、僕は小さな失敗ができたからです。だからみなさんも失敗された方がいいです。もうされたですか? されてる最中ですか? 



やっぱり勝ち続けたらだめみたい。今だめな企業は、名前が通ってる所、歴史がある所、技術力がある所、この三つ揃った所はもう今ことごとく大変なはずです。過去の成功体験が良すぎて変われないのです。変わろうとするけど変われない。だからどうしようもないのね。旅人のいかだの話で、川があって、いかだを作って、その後死ぬまで山をいかだを担いで歩いていたというのがあります。笑う所ですよ。もうついてこれなくなってきたですね。

そういうことで、僕の場合は7年前にうまく失敗ができて、神様がうまく作ってくれたのでしょう。サムシング・グレイトがあるんだろうなと思うんですけども、従業員の人が辞めないお店をつくりたいなと思ったんです。



これは面白いんです。従業員の人がバーッと辞めた時、ちょっとたいそうですけど自殺しようかな、ぐらい思ったんです。会社が倒産するんですからね。そうして最後やし、ちょっとお坊さんの話でも聴きに行こうかなと思ってお坊さんの話を聴きに行ったのです。そのお坊さんが竹内日祥という人、大阪の有名な人です。



その方が西郷隆盛の話をするのです。僕、西郷隆盛、好きなんですよ。坂本竜馬よりも好きなんです。ま、それはどうでもいいんですけども…。南州遺訓という話が好きで、「子孫のために美田は買わず」、子供、孫のために美しい田んぼ、不動産は買わない、リーダーは私利私欲に走らないという話をされていたのです。



するといきなり、「ここに辞めた従業員の文句を言いながら夜な夜な酒を飲んでいる経営者はいませんか?」と言われたのです。僕、前の日飲んでたんです。「あいつ、俺、仲人してやったんだ」とか言いながら飲んでたんです。え、俺かな?このおっちゃんすごいわと思って…。



そしてその人は僕にこう言ったのです。「頭が悪すぎる。今残っている社員が、俺たちも辞める時、ああ言われるんだなとモチベーションが下がっていきますよ。だから嘘でもいいから、俺が悪かったと謝れるリーダーにならないとだめだ。21世紀は謝れるリーダーが必要なんだ。強いリーダーなんが要らないんだ!」と言われました。「なぜか。素直な人は強くないと素直になれないですよ」と先生が僕に言いました。強烈!と思って…。



その日の夜、従業員の人を集めてちょっと嘘をついてみたんです。むかついてたんやけど、「俺が悪かったよな」とか言ってみたんです。そうしたらね、「そんなことないですよ。辞めた人のことなんかいいじゃないですか。今から僕らがおるから大丈夫です」と言ってくれたのが今の14人なのです。それを中心に、今100人ぐらいいるんです。だから最初の奇跡は嘘をついたことから始まっているんです。



だからみなさんも今日帰って嘘をついてください。笑うところです。スミマセン…、引かれてしまったですね。



ということで、その時に僕の所に残った14人の従業員の人に、どうしたら頑張れる?と聞いたら、五つぐらい話が出てきたのです。



(1)安心したい

一つはこうだったんです。「先生、昨日何の日か知ってますか?」「え? 俺知らん。」「私の誕生日なんやけど、先生以外はみんなメールと電話してくれましたよ。」バサッ。そんな会社で頑張れるわけがありませんよ。そういうことです。みなさん、どうです? 誕生日でその人の人望が分かるよね。誕生日に夜の街に消えていかないといけないようじゃどうしようもないよね。僕はそうだったんですけども…。



結局こうなんです。もっと将来の話をしてほしい。「僕はここに入って8年目なんだけど、いつになったら店が出せるんですか?」とか、女性の社員は、「私は30過ぎだけど、子供ができますかね?」、「結婚できるんでしょうか?」という意見が多かったです。



これはマズローの五段階欲求で言う二段階目、安全欲求ですから、やはり物欲を超えているのです。今目の前で美味いものが食いたいとか、良い車に乗りたいとかいうのとは違う、将来良くなれるとか、将来まで継続できるという安全欲求に訴えかけるからやはり非常に強いです。



こういうことなのです。僕は7年前はそれと全く逆のことをやってたんです。今はどうしているかというと、心理学で言う「セーフ・ベース」、お母さんが赤ちゃんを抱いたら赤ちゃんは三つのものを触るらしいです。髪の毛とか、洋服とか、何か触る。それは安心という心理状態から生まれる冒険心というのが出るんです。だから安心している社員というのは冒険心が出る、頑張るのです。自主性が生まれるのです。



その逆はどうか。テーブルの上にポンと赤ちゃんを置くと、1種類しか触らない。それは不安だからです。落ちそうだから…。これがコミッションという、成果主義というやつです。



僕は7年前、細〜いテーブルに従業員を乗せていました。落ちるよ頑張らんと、みたいな…。しょうがないね実力主義やけんね、みたいな…。だめやったらペナルティがあるけどどうしようか、みたいな…。これはやはり良くないのです。



東大の教授が書いている『虚妄の成果主義』を読まれたら分かるけども、それじゃだめなのです。これからは個性を伸ばさないといけんから、褒めてから伸ばすような形じゃないとだめなのでしょう。僕はそう思いました。



だから一つ目は、『安心したい』。僕は正直言って7年前こうです。従業員に「先生、あと何年経ったら僕は店が出せるんですか? 僕の器量だったらどれぐらいの店が出来るんですか?」と聞かれたときに「おう、今度教えてやるよ」って言った。でもね、背中から汗が出た。何にも考えていなかったから…。従業員のことなんて何も考えていない。口ばっかり。もう自分のことだけしか考えてなかった。「教えてください」と言われ、「今度教えてやるね」と言ったけど、全然考えていない。その当時は「私、子供産めますか?」なんて全然関係ない。だからすごく焦ったです。



これはすごくいいです。キャリアパスプランという、経験をふんでいったらどこに行けるか。山登りで言うと、二合目まで行ったらこんな景色が見えるよ、五合目までだったらこんな景色、九合目まで行くとこんな景色が見えるよという、見える景色をプレゼンしてあげるということでしょう。そうすることによって山登りのやりがいが出てくるということじゃないでしょうか。これが一つ目。



(2)もっと参加させてほしい

それからもう一つは、『もっと参加させてほしい』と。「店の内装から、チラシから、求人から、全部幹部がやっているじゃないですか。幹部会議で決まったら、これせい、あれせいで全然面白くない。自分たちも経営参加させてほしい。」



これは経営品質賞で言うと情報カードというのですか。僕の所は、天使の声だからということでエンゼルカードと呼んでますけども、従業員が僕の自宅にFAXできるようになっています。新入社員も、事務の方も、いつでもFAXしていいようになっているのです。



こんなのがあります。「先生、○○店の××ですが、冷蔵庫が小さいので買い換えてください。先輩たちの弁当は入るのですが、私たちの弁当は入りません。ちょっと腐ってきてますけど、どうしますか?」とFAXが来る。僕はそれを見て、え?と思って見に行ったら、やっぱり冷蔵庫が小さい。スタッフルームの冷蔵庫の大きさまで分からないでしょう。そう思わないですか?



それで冷蔵庫を買う。僕が買って行く。そうすると従業員の間でこうなっている。「誰が言ったの冷蔵庫のこと?」「私が言いました。」ヒーローですよ。「よく言ってくれた。」その人はその気になっています。経営参画した形、えらく調子に乗っている…。



これ、非常に大事だと思うんですよ。僕もそうだったし、やっぱり「頼むよ」と言われたりしたら頑張れるのと一緒で、参加するということはやはり期待してあげるということに近い。



僕は血液型がA型なので、中期計画書とかすごいのを作るんです。銀行とかに持って行ったら、銀行だけは喜んでくれるようなやつ…。でも従業員は全然喜んでない。それで従業員が「先生、全然面白くないですよ。もらって一回も開いたことがない」と言うんです。「中期計画書を見て嬉しいのは先生だけでしょう。こんなの、嬉しいのは社長だけじゃないですか?」「どうして?」と聞いたら、「私たちのことが書いてないもん」と言うわけです。



だから僕はその時思った。これは中期計画書に従業員の夢を1個1個入れたらいいなと思った。だから僕の所は、「全てうまくいったらどうする会議」というのを1年に1回やって、みんなが3年間でうまくいったらやりたいことを出す。例えば沖縄旅行に行きたいとか、研修センターが欲しいとか、アメリカに店が欲しいとかということを全部中期計画に入れている。その一つ一つは自分の意見ですから、非常に大事です。実際3年ぐらい前に、阿蘇に保養所が欲しいという意見がありました。3年間で売り上げが倍ぐらいになったので、今建設中です。山を買って造っています。



こんな時代ですから、やっぱりリーダー一人の夢はかないません。従業員みんなが思った夢は叶うのです。これは結構大事ですよ。みんなが保養所を作ろうと言えばできるけども、社長のエゴとか、自分の夢だけで作ろうと思ったら無理です。やっぱり夢を共有していくというのが非常に大事じゃないですかね。



僕はそれから作文も出しています。「明日のために今日がある」という、ビジョンを具体的に落とし込んで作文にしたものを毎年出しています。今日はなぜこうするのかというのは、明日こうしたいからだよという…。今度ロサンゼルスに店を出そうとして、今年土地を買いに行って、サンタモニカという所に出すんですけどね。それも3年前にみんなで約束したからできました。現実です。



というようなことで、参加したいという人が多いのです。だからそういう参加型にしていくのがいいんじゃないか。二つ目ね。



(3)もっと信頼したい、信頼してほしい

三つ目は似てるけども、『もっと信頼したい、信頼してほしい』。こういうことです。僕の所の従業員は口が悪いので、「社長ばかりなんであんなに領収証を切りまくるんですか? 私たちにもちょっと切らして。」失礼しました…。

これはどういうことかと言うと、従業員が「相談があります。」「そう、じゃあ今日夜、焼き鳥でも行こうか。ワリカンで…。」これではだめだ。社長だけ領収証切りまくり、格好良すぎる。少し領収証切らしてよ、こういうことです。

だからもっと権限の付与をしてほしいということです。付与。権限の委譲なんて無理ですからね、付与、少しずつ与えていく。例えば美容師さんだったら、パーマの薬液だけは君たちで決めなさいとか…。



ちなみにその時、採用は僕がやっていたんです。僕が入れた人はみんな辞めた。うちの店長たちが面接した人は辞めない。それはそうなんです。使いやすい人、一緒に働きたい人を採用しているから辞めないんです。僕が採用するときは働きやすいとか関係ないもんね。容赦ない。自分の好みで入れているわけですからね、どうしようもないと思います。



みなさんの企業も、よく考えてみてください。問題の源流は採用にあります。究極。そう思わないですか? こんなにしたのになんで良くならないのか、なんでできないのか、なんで入ってきたんやか…。源流はそこにある。なぜ入れたのか。だから採用が非常にウェートを占めてくる。



7年前なんてそんなの全然関係ない。容赦ない。近くの美容室の店長さんをヘッドハンティングです。もうどんどん…。その時は全然だめ。よその店の働き手さんを取って商売をやろうなんて、そういう姑息なやり方は通用しないです。だから今うちにいる100人は全員僕がシャンプーから教えてます。全員新卒採用でやってます。

それは信頼関係を持つということです。



(4)環境をもう少し良くしてほしい

四つ目は、『環境をもう少し良くしてほしい』。環境、働く環境。給料は要らないけれど、できたら、例えば食事する所のテーブルをもう少しきれいにしてほしいとか、少し良くしてほしい。



この間長野県の伊那食品工業さんという所に行ってびっくりしたんやけど、ゴルフ場よりもきれいな、レストランよりもきれいな食堂ですよ。やっぱり良い所はね…。48年増収増益、日本一。「かんてんぱぱ」、伊那食品工業さんという会社…。



そして自動販売機を見てびっくりしました。全部50円なんですよ、自動販売機が…。ここは日本か?と思いました。そうしたら会社が半分負担しているそうですね。それも健康に良いものしかない。コカ・コーラとかはない。あ、コカ・コーラさんいた、すみません…。すみません、ちょっとビデオがやばいですね。体に良いものしかない。ちょっと訂正してください。もとい、すみませんでした。



環境を良くする。美容室の場合、特に生産性を追い求める業界ですから、必然的に裏の方、スタッフルームというは奥の方で、狭くて、換気が悪くて、汚い所なんです。そこにタオルは干すわ、従業員はタバコは吸うわ、もうタコ部屋みたいなんです。だからそこの換気扇をちょっと換えてあげるとか、食事をするテーブルだけは少しきれいなのにするとか、そういうことです。こういうことは従業員のモチベーションに深く影響しているようです。そうでもなさそうですごい。



つづく



今後の予定→宮崎・長崎・山口・名古屋・八女・滋賀・広島・仙台・東京

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 ベン大10/11

10/11(土)ベンチャー大学にビッグゲスト!
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